紅ズワイとトゲズワイはなぜ安いのか|取り寄せる前に知っておく理由と 安いのでいい日の表

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生成りの布の上に、大皿に載った茹でた紅ズワイガニの姿と、その横の長皿に並んだ殻をむいた脚の身がある夕方の食卓

茹でた姿を割って食べる日や、むき身をたっぷり使う日なら、紅ズワイの安さはそのまま助かると思います。しゃぶにする日と、名前で喜ばれたい贈りものの日は、私なら本ズワイ(ふつうのズワイガニ)にします。

ただ、紅ズワイが安いのは、味よりも、獲れる量と使われ方の違いだと思います。しかもトゲズワイは、同じ店の同じ量で、本ズワイと値札が同じ品もありました。

カニは年に1回あるかないかなので、安い値札を見ると、これで大丈夫かなと迷いますよね。国と県の案内で安い理由を確かめ、同じ店の値札を1kgあたりに直して、どの日なら紅でいいかを場面ごとの表にしました。

カニの種類をタラバにするかどうかがまだ決まっていない人には、「タラバとズワイは取り寄せるならどっち|鍋・しゃぶ・焼きと人数で決める早見表」が先に役立つと思います。

紅ズワイが安いのは獲れる量と使われ方の違いから

国と県の案内と店の商品ページを読むと、紅ズワイの安さは次の3つから来ていると私は見ています。どれも味の良し悪しとは別の話です。

深い海でかごを使って獲る

紅ズワイと本ズワイは、住んでいる深さがかなり違います。水産庁の資料では、ズワイガニは日本海のA海域で水深200~500mに多く、ベニズワイガニの分布域は水深500~2,700mとあります。

紅ズワイの水揚げが多い境港について、鳥取県の案内があります。9月~6月に、水深800mより深い海でかにかごを使って獲る、という中身です。

ズワイガニは日本海のA海域で水深200〜500mに多く、ベニズワイガニの分布域は水深500〜2,700m、トゲズワイは北太平洋とベーリング海の水深90〜3,000mと、住んでいる深さを海の断面の帯で示した図

獲れる量にも大きな差があります。同じ資料の中で、ベニズワイガニ日本海系群の漁獲量は、過去5年の平均で約1.1万トンです(令和4年度の資料)。

いっぽう、ズワイガニ日本海系群のA海域とB海域は、2023年漁期で合わせて約2.2千トンでした。年の取り方が違うので目安ですが、私の計算では約5倍です。この差は値札に出ていると思います。

加工向けに多く使われる

鳥取県の案内では、紅ズワイは捨てる部分がないほど、加工品として使い道が広いカニです。棒肉や爪肉、かにみそなどの冷凍食品も多く作られています。

しかも、紅ズワイは獲ったあとに加工工場で茹でられ、直売所などで売られます。家で蒸すだけで、「リーズナブルな価格で」カニ料理が楽しめる、と同じ案内にあります。

紅ズワイは加工工場で茹でて姿のまま売られるほか、棒肉・爪肉・かにみそ・かにグラタンなどの原料に使われることを示した図

茹でた紅色の姿を蒸し直して、湯気の中で甲羅をぱかっと外す。紅ズワイの安さは、そういう食べ方と相性がいいんです。

水分が多く解凍すると目減りする

かに本舗の商品ページには、紅ズワイの身についての注意書きがあります。「生の紅ズワイガニは水分が多い蟹のため解凍すると目減りします。」という一文です。

なので、生の紅ズワイは、私なら人数の量より少し多めに頼みます。

紅ズワイの値札は、深い海でたくさん獲れて、茹でたり加工したりして売られるカニの値段だと思って見ています。

訳ありで安い品の話は「訳ありカニは何が訳ありか|取り寄せる前に確かめる商品名の折れと棒肉と向く食卓」にあります。

では、名前の似ているトゲズワイも、同じように安いのでしょうか。

トゲズワイは安いとは限らない

バットに、とげの多い殻を半分むいた生のカニの脚が並ぶ写真

トゲズワイは、名前で安いと決めずに、同じ量の本ズワイと値札を並べてから選びます。

京都府の案内では、トゲズワイは北太平洋とベーリング海の、水深90~3,000mに住むカニです。かに本舗のとげずわいの半むき身は、商品ページで原産国がロシアと書かれています。

この半むき身は生で届く品ですが、備考の指示は加熱してから食べることです。鍋やしゃぶのように火を通す日の品だと考えると選びやすいと思います。

殻を半分外した脚を鍋に沈めると、身が白くふくらんで、箸でつまむだけで殻から離れていきます。

その値段はというと、同じ店で同じ量の生の半むき身を並べたとき、トゲと本ズワイは同じ値札でした。トゲズワイの値段について、国や県の案内では私は話を見つけられませんでした。

「トゲだから安い」と思い込むと、本ズワイと同じ値段のものを選ぶことになりかねません。頼む前に、同じ重さの本ズワイの値札も一緒に見てみてください。

では、値札を並べると、紅はどれくらい違うのでしょうか。

同じ1kgで並べた紅とトゲと本ズワイの値札

かに本舗の紅ずわい・とげずわい・ズワイの3つの一覧を、同じ日に見比べました。形と量のそろう品どうしを並べたのが、下の表です。

形と量紅ズワイかトゲズワイ本ズワイ差
刺身用の脚肉むき身 約1kg紅(北海道産 26~28本)7,800円8,980円(2L~L 42~60本)〜12,900円(10L~7L 18~28本)紅は本ズワイの約6〜9割
生の半むき身 2kg超(総重量約2.4kg)トゲ(ロシア産)11,800円11,800円(3L~2L)差0円
茹でた姿 1kgあたり紅(境港の浜茹で)約5,100〜5,400円以下―(ズワイの一覧の1ページめに茹でた姿の品が無い)―

(値段はかに本舗の一覧に出ていた税込の額で、どれも送料無料の品です。)

「差」の列が、同じ店の中での値札の差です。紅の茹でた姿は「1kg超」のように重さの下限で割ったので、1kgあたりは「これ以下」と読んでください。

ほかの店とも並べたくなりますが、ここでは同じ店の同じ日の値札だけを比べています。

刺身用のむき身を解凍して大皿に並べれば、殻を割らずに、みんなの箸がそのまま身にのびます。

刺身用の脚肉むき身なら紅のほうが安く、トゲは生の半むき身で差が無い、というのが同じ日の値札でした。

紅ズワイと本ズワイはどちらが美味しいか

竹のざるの上に、茹でた鮮やかな紅ズワイの姿が1杯置かれた写真

味の上下は、種類の名前より、鮮度と食べ方で差が出ると思います。

富山県の案内では、県で獲れる紅ズワイは、漁場が近く水揚げまでの時間が短いので鮮度がよいとあります。かに本舗の紹介ページにも、「新鮮な紅ずわいの甘さと濃厚さは本ズワイに勝るとも劣らない」という漁師の言葉が載っています。

安いから味も落ちる、と思いがちですけど、どちらの話も紅ズワイを語るときに「新鮮」が先に来ています。そのうえで、生の紅ズワイには解凍で身が減るという店の注意書きもあります。

茹でてある紅色の脚を蒸して折ると、湯気の向こうで白い身が殻からするりと抜けてきます。

だから私は、紅か本ズワイかを味の上下で決めずに、どう食べるかで分けて考えます。

では、どの日なら紅でいいのか、場面ごとに分けてみます。

安いのでいい場面と本ズワイにする場面

大皿に、茹でた紅ズワイの姿が何杯も盛られた写真

表で自分の場面の行を1つ選べば、紅でいい日と本ズワイにする日が分かれます。

場面紅ズワイトゲズワイ本ズワイ私なら
大人数で茹でた姿を囲む◎ 境港の浜茹での姿が並ぶ― 姿の品は一覧に無い―紅の浜茹で姿
鍋(半むき身)△ 生のカットは解凍で目減り○ 生の半むき身がある○ 同じ量で同じ値札の品がある値札が同じなら本ズワイ
カニしゃぶ△ 水分が多い△ しゃぶ用の品は少ない◎ かにしゃぶ用が並ぶ本ズワイのかにしゃぶ用
刺身○ 北海道産の刺身用○ 刺身可の満足セット○ 刺身用値札の差で紅の刺身用
むき身をほぐして使う(かに丼・サラダ)○ 刺身用の脚肉むき身○ かに丼の具・小さめ細めの脚肉△ 値札が高め紅かトゲ
二人暮らし○ 脚肉むき身の1箱△ 量の多い品が中心○紅の脚肉むき身
子どもがいる家○ むき身なら殻が少ない○ 半むき身○殻の少ない形を先に
名前で喜ばれたい贈りもの△ 相手しだい△ 相手しだい◎相手に合わせる

自分の食卓に近い場面の行を横に見て、◎か○の種類から選んでみてください。印は、同じ店の値札と商品名の表示から私がつけた目安です。

大人数で茹でた姿を囲む日なら、私は紅ズワイの浜茹での姿にします。大皿に紅色の姿が何杯も並ぶと、それだけで食卓がにぎやかになります。

甲羅を外したあとは、みんなが黙って殻から身を引き出す時間です。私も一度カニを手にすると、身を出すことしか考えられなくなって、口数が減ります。

ただ、姿はにぎやかでいいんですけど、何杯も囲むと食べ終えた殻の量も多くなります。カニの殻はかさばるので、食べ終えたあとにゴミ袋へまとめるのが私にはひと仕事です。

それに、胴体のひだに残った身を細かくほじり出すのは、私には向いていません。なので、二人で食べる日の分は、殻を外してあるむき身のほうを私は選びます。

解凍したむき身をご飯にのせれば、殻を割らずにカニがたっぷりの丼になります。むき身をほぐして使う日こそ、紅の値札の差がそのまま助かると思います。

紅ズワイを刺身にする日は、北海道産の品のうち名前に【刺身用】が付いたものにします。北海道産の紅ずわいは刺身で、と紹介ページでも勧められています。

鍋の日にトゲと本ズワイが同じ値札なら、ふだんからズワイを選ぶことの多い私は、本ズワイの生の半むき身を鍋に入れます。

カニしゃぶの日は、表の◎のとおり本ズワイのかにしゃぶ用です。だしにくぐらせる身は、解凍で細りにくいほうが合うと思うからです。

人数ごとの箱の数は、カニしゃぶの記事「カニしゃぶ用に取り寄せるならどのカニを何kg|二人なら1箱・4人なら2箱の早見表」で確かめられます。

頼む前に商品名で産地と茹で方を見る

布の上に紅ズワイの姿が1杯、横のトレーに脚の身が並ぶ写真

カートに入れる前に3つの表示を確かめておくと、思っていた品と違うことは減ると思います。産地と、生か茹でかと、名前に「紅」の字があるかです。

私もスーパーや市場の店で、商品名を見て選んできました。通販だと手に取れないけど、見るのは同じ商品名です。

1つめは産地です。かに本舗の紅ずわいの一覧には、北海道産の品と境港の品が並んでいます。カニ通販.com の紅ズワイガニの一覧は、6品とも【北海道産】でした。

2つめは、生か茹でかと、刺身用かです。北海道産の脚肉むき身は【刺身用】、境港の姿は「浜茹で」と名前に入っています。

かに本舗のとげずわいの半むき身のように、生でも商品ページに「加熱して」とある品もあります。

頼む前に商品名で見る所として、産地(北海道産・境港・ロシア)、生か茹でか(生・浜茹で・ボイル)、刺身用か(刺身用・刺身可・加熱して)、名前に紅があるかを示した図

生と茹での違いをもう少し知りたくなったら、「カニは生とボイルのどっちを取り寄せるか|しゃぶ・鍋・刺身・そのまま 食べ方別の○×表」に詳しく書いてあります。

3つめは、名前に「紅」が入っているかです。かに本舗の紅ずわいの一覧なのに、名前が「ボイルずわい姿」の品も入っているんです。

ちなみに、境港の浜茹で姿1杯(700g超)には、送料無料の表記がありません。その品は冷凍便の送料1,200円が別にかかり、注文の合計が8,000円以上になれば送料はかかりません(公式の案内)。

港で茹でたカニを食べる楽しみ方は、「マリンドリーム能生のかにや横丁でカニを食べた話|道の駅と通販の違いを取り寄せる前に確かめる」にまとめています。

私ならこう頼む

紅ズワイで十分な日がどれか、場面ごとの表で見えてきたと思います。あとは、その日の食卓に合わせて品を選んでいけばいいと思います。

かに本舗の紅ずわいの一覧には、北海道産の刺身用の脚肉むき身と、境港の浜茹での姿が並んでいます。私なら、大人数の日は境港の浜茹で紅ずわい姿5~6杯を、二人の日は北海道産の刺身用の脚肉むき身を1箱にします。

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かに本舗の紅ずわいの一覧を見る(北海道産の刺身用むき身・境港の浜茹で姿)

この一覧には、名前に「紅」の字が無い「ボイルずわい姿」も5件並んでいます(公式の表示)。紅を選ぶなら、商品名に「紅」があるかを見てから押してください。

トゲと本ズワイの半むき身を自分の目で比べるなら、かに本舗のとげずわいの一覧で生の品の量と値段を確かめられます。

贈る相手が「ズワイガニ」という名前を楽しみにしているなら、私は紅ズワイやトゲズワイを選びません。名前で喜ばれる贈りものは、本ズワイにしておくほうが合っていると思います。

北海道産と書かれた紅ズワイの中から選びたいときは、カニ通販.com の紅ズワイガニも並べて見てみてください。

調べてみると、値札の安さは、カニの出来ではなく、海の深さと獲れる量の話でした。